頭の良さと言語化能力:後〈熱力学の法則を添えて〉(定期更新3)
前回に引き続き、頭の良さと言語化能力について呟いてみるのである。
知性的な者ほど信仰心を持たない傾向にあるらしい。
つまり、科学知識でマウンティングをする輩は、一見知性的に見えるかもしれないが、それは『科学』という名の
宗教を篤く信仰している者ということだ。愚か者め。
ちなみに、この愚か者は私のことである。
(第一、マウンティングするような者が知性など持ち合わせているわけがないだろう。)
さて、前回の続きということで始めていこう。
言語化することの根本的な目的は、自分の中の感覚を言葉に置き換えて一般化することだ。
こうすることで、自分だけのモノでしかなかった感覚が他の人々に理解してもらえるようになる。
しかし、知覚→言語化のプロセスには幾らかロスがあるように思える。
熱力学の第二法則によれば、熱効率100%の熱機関はあり得ないから、人間の言語化システムも
言語化効率100%はあり得ないかもしれない…
これを書いていて、熱力学の法則と言語化って似てるんじゃね、と思った
ちょっと考えてみよう。
- 熱力学第一法則:Q=ΔU+W (Q:吸収した熱、ΔU:内部エネルギー変化、W:外部へした仕事)
- 熱力学第二法則:高温から低温への熱の移動と不可逆性→熱効率の制限
ここから類推して、
- 言語化第一法則:q=Δu+w (q:五感で得た情報、Δu:忘れる部分、w:記憶できる部分)
- 言語化第二法則:高度概念から低度概念への翻訳とその不可逆性→言語化の制限
なかなか面白い。
言語化第二法則がちょっと分かりづらいかもしれないので、解説を加える。
この理論では知覚→言語のプロセスだけでなく、ある言語A→別の言語Bへの翻訳プロセスも対象とした(なんかできた)が、今回は置いておく。
高度概念とは、主に多義語・広義の概念のことであり、低度概念とは、単一の意味しか持たない言葉・狭義の概念のことである。前者から後者への移行が、いわゆる言い換えであり、その逆は考えないものとする。(実際、低度概念から高度概念への移行が不可能ではないが、今は置いておく)
こうして言語化法則を眺めてみると、第一法則は記憶力の良さ、第二法則はまさに言語化効率について大雑把に論じることができている(ように見える)ので、大変満足である。
熱効率の良い機関が優秀であるなら、言語化効率の良い人間は説明上手で頭が良いということが今回の結論である。
Phylmer.M
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